量子ファイナンスの学術的な解説と、カザフスタン・アルメニアをはじめとするユーラシアの経済調査。
アルメニアの対外経済活動から生まれた付加価値は、どれだけ国内の新規産業や需要を生み出しうるのか。2022年以降の再輸出の膨張と縮小、ICTサービス輸出と知的財産使用料からみたデジタル収支、IT人材の流入と賃金・住宅価格、送金・直接投資・銀行部門の資本の出入りと対外債務、海外で資金を調達する企業の構造を、中央銀行・IMF・世界銀行などの資料から読み、統計の限界とあわせて筆者の見方を示す。
ロシアと7,591km、中国と1,783kmの国境を接するカザフスタンについて、北部に集まるロシア系住民、ロシアとの同盟条約とユーラシア経済同盟、2013年にアスタナで提唱された「シルクロード経済ベルト」、両国との貿易の比重と統計の食い違い、原油輸出の8割余りを担うCPCパイプラインのロシア経由への依存、2022年以降に中央回廊が伸びた理由とその限界を、統計局・条約の原文・CPC・世界銀行などの資料からまとめる。
移動平均やチャートのパターンを統計の言葉に直すと、「過去の価格で条件づけたとき、その後の収益率の分布は変わるか」という問いになる。この問いを検定した古典的な研究と、規則の選び方そのものが結果を左右するデータ・スヌーピングの問題を整理する。
人口約2,060万人、首都アスタナ。2026年の新憲法を含む国の基本データから、アスタナ・アルマトイの外で経済を支える資源と重工業の州と都市、経済の規模と構造、原油・ウランの輸出と輸送路、インフレ目標の金融政策とテンゲ、STEM教育とIT・AI・フィンテックの動き、二つの証券取引所の現状などを、統計局・国立銀行・国際機関の情報からまとめる。
人口約310万人、首都エレバン。国の基本データから、エレバンの他にもアルメニア経済を支えている都市と州、経済の規模と構造、輸出入と為替、インフレ目標の金融政策、STEM 教育と IT・AI・フィンテックの動き、証券市場の現状などを、統計委員会・中央銀行・国際機関の情報からまとめる。
「量子ファイナンス」「量子インスパイアド」という言葉は、性質のまったく違う三種類の研究を指して使われている。量子コンピュータで計算する研究、量子アルゴリズムから着想を得た古典的なアルゴリズム、量子力学の数学で市場を記述するモデル。それぞれが何を主張し、何で評価されるべきかを整理する。
量子ランダムウォークは、古典的なランダムウォークの「コイン投げ」を量子力学の操作に置き換えたもの。確率ではなく確率振幅が足し合わされ、干渉が起きる。その結果、分布は時間に比例して広がり、左右対称な初期状態では二つの山をもつ形になる。仕組みと、金融への応用研究の現状を整理する。
株価はランダムウォークに従う、という仮説は1900年にさかのぼる。この仮説は価格の「向き」についてはよく当たり、価格の「振れ幅」の分布については外れる。どこが当たり、どこが外れるのかを、古典的な研究から整理する。